楽天モバイルを固定回線がわりにつかってみた

自宅の回線としてnuroを契約してからもうすぐ2年になる。nuroはフレッツ光とかau光などとは違った通信方式を採用している独特なサービスで、回線の開通まで複数回の工事が必要になるなど常軌を逸した日数がかかるが、ひとたび使えるようになってしまえばその非常に高い回線品質や、新規契約者へのキャッシュバック制度もあり愛用している人も多いように思う。テレワーク全盛のご時世もあり、エンジニアのリモートワークにはいい選択肢だ。

が、わたしはnuroにあまり向いていない使い方をしていた。第一ここまで速い回線速度を必要としていなかった。昔使っていた100MbpsのFTTHでも使いこなしていたともいえないし、大容量データのやりとりもほとんどしていない。10GBオーダーのファイルを転送するのはPS4のゲームをダウンロードするくらいのものなので、月の転送量でいえば100GBも行ってなかったかもしれない。

そしてnuroの嫌な部分が標準的なプランにおける契約体系の縛りの長さにある。契約期間は当然のように2年縛りだし、工事費の残債は3年つかえば無料、早期解約の場合は残債を一括で支払うというルールになっている。無料で解約するためには契約開始から48ヶ月後の一ヶ月間のみだ。私は頻繁に引っ越しをすることもあり、持ち歩けるものならまだしも固定回線で2年縛りとなるとこれは厳しい。半年で引っ越すか2年で引っ越すかは住んでみないとわからないので、引っ越しのタイミングで申し込むネット回線の選び方は非常にむずかしい。長く住むならnuroでもいいかもしれないが、半年だけなら多少高くても私は縛りのない回線を引きたいのだ。

そんなわけでSIMカードが刺さるルーターを買い、回線として楽天モバイルを契約することにした。SIMカードが刺さるルーターというのがあるのは知っていたが、それはモバイル用途のものしかないと思っていた。確かに商品の種類は少ないものの、私と同じような使い方を求める人は多いようで通販サイトでも品薄だった。これは特定の周波数域だけを選択して通信する機能を持っているため、楽天モバイルユーザーからの支持が高いらしい。

ルーターはフットプリントも小さくかわいい

速度は上下ともに30Mbps程度出ている。このルーターに一日中つないだ状態で仕事をしているが、とくに不満はない。わたしにはこの性能で十分だったと気づかされる。nuroの2年縛りはあと二ヶ月余りで解約月を迎える。楽天モバイルの先着300万回線まで一年間無料というキャンペーンの残枠が減ってきていると聞いて急いで申し込んだため、契約期間が重複してしまった。二重にお金がかかるわけではないので目をつむる。

楽天モバイルのいいところは、月あたり1GB以下の使用量だった場合請求金額がゼロになるという脅威の料金体系にあり、これがあれば例えば1年くらい海外で生活してみるか、となったときにわざわざ解約しなくてもよくなる。もちろん日本国内であっても楽天モバイルの電波が届かない街で暮らしたくなったとき、無駄なお金をかけることなく回線を維持できるのだ。最高である。ルーターのSIMを入れ替えてしまえば、海外でも手間のかかる固定回線契約をスキップしてそこらへんのキオスクでデータ通信量の大きなSIMを買えばそれですむ。

できるだけ身軽でいたいという気持ちに応えてくれる安価なネット回線がみつかってよかった。何年縛りみたいな契約はもうやめたい。