2013-06-11

ユーロを用意する

アベノミクスによる円安の波に乗れなかったこのタイミングで考えるのは少し悲しいのだけれど、いつかどこかのタイミングでまとまったお金をユーロに両替しなければならない。どの場所でもかならずクレジットカードが使えるとは限らず、また家賃の支払いはエストニア国内の銀行口座から振り込む必要があるようだ。 そうでなくてもクレジットカードのキャッシング枠は10万円しかないというしがない大学生の身分なのだし、その頼みの綱のカードをもし紛失なり盗難なり破損なりしたら速攻で「詰み」だ。

さて、日本円からユーロに変換する方法はいくつかある。一週間かそこらの旅行であれば空港の外貨両替コーナーで済ませてもいいけど、留学みたいな一大イベントでは金額がおおきく、各国の経済状況からはじき出されたレートの高低はそのまま私のおこづかいの額に反映されてしまう。

せっかくだから私の知る限りですべての両替方法の金銭的損得を計算してまとめてみた。各レートは2013年6月11日17時ころに各社の公式サイトで公開されていた値を使う。

1. 外貨両替所で両替

空港とか大きな駅で営業しているTravelexとかGPAみたいな外貨の両替専門店は、おそらく一番オーソドックスな両替方法だと思う。両替の手数料はすべてその日のレートに織り込まれているので、店先のレートから受け取れる金額を簡単に計算できる。 各店舗でレートは統一されているので、渡航当日にATMから引き落とした日本円をそのままお店に持って行くだけという手軽さは大きなメリットだ。 成田空港の両替専門店として前述のTravelexとGPAを比較してみる。ユーロ/円のレートはそれぞれ134.64、134.56という値だ。これは単純に1ユーロを入手するのに必要な金額なので、たとえば100,000円を両替すると以下のようになる。 Travelex : €742.70 GPA : €743.16 インターバンクレートと比較すると、手数料として3000円程度持って行かれてしまうのがわかる。

2. クレジットカードキャッシング

前述の理由により多額の両替はできないが、この方法はレートの良い両替方法として旅行者にはよく知られたものだ。 クレジットカードには普通ショッピング枠と別にクレジット枠が設定されており、この枠内でお金を引き出すことができる。マイナーな通貨が使われている国に旅行する際にはとても重宝する両替方法だ。海外でもそれなりに発展した国ではまず間違いなく街中にATMがあり、ここにクレジットカードを差し込んで暗証番号と金額を入力するだけで現地の通貨でお金が引き出せる。 両替時のレートはVISAやMasterやJCBやAMEXに決済情報が届いた時点でのものになるため厳密な計算はできないが、決済日のインターバンクレートを採用しているため非常にレートが良い。(日本ではまれだがカード会社/ATMによっては手数料を取る) このクレジットカードのキャッシングには利息がかかる。決済日から支払日までを年利18%程度で日割り計算をする。10万円をユーロで引き出すとインターバンクレートでは€768となる。クレジットカードの使用代金を引き落とされるのが最大で2ヶ月だとしたら、その利息は 利用金額100000円 × 実質年利18% ÷ 365(1年を日割り)× 60(利用翌日から支払日までの日数) = 2958円(端数切り捨て) となる。これを元に再度レートを考えると€745.45が最終的な値だろう。決済日を調節すればもちろんもっと良いレートで両替できるが、1ユーロ程度しか変わらないのであれば空港での両替でもいいのではないかと思ってしまうところだが、そうではない。空港での両替レートは米ドルとユーロだけが良いのだ。それ以外の通貨は基本的に手数料が嵩んでレートがとても悪い。さらにマイナーな通貨(たとえばリトアニアのリタスとか)は取り扱いがないのでそもそも両替できない。 どんな通貨でも引き出すことができ、かつ良好なレートで引き出すことができる点がクレジットカードキャッシングの魅力だ。

3. 国際キャッシュカード

日本では国際キャッシュカードはあまり発効されていない。メガバンクは軒並みサービスを終了させており、現在入手できるのは新生銀行とシティバンク銀行くらいだろう。どちらもレートはすごく悪く、使うべきでない。クレジットカードのキャッシングでも使っていた方が良いと思う。 新生銀行だと、VISA Internationalの定めた決済レートに4%を足したレートで、計算してみると100000円が€733.14にまで減ってしまう。便利は便利だけど流石にぼったくりすぎだ。

参考:
http://faq.shinseibank.com/faq_detail.html?page=1&category=135&id=1514
http://corporate.visa.com/pd/consumer_services/consumer_ex_results.jsp

4. トラベラーズチェック(T/C)

昔の換金手段だ。現在はAmexしか発効しておらず、入手もめんどくさければ換金もめんどくさい。レートも良くないし使う必要はない。

5. 銀行両替

BTMU : €740.79 みずほ : €730.08 UFJがなかなか良いレートだ。それでも空港での両替とあまり変わらないので選ぶ必要もないと思う。インターバンクレートに、手数料として1ユーロあたり4円をとられるようだ。

6. 金券ショップ

大手の大黒屋で示されたレートだと10万円で€741.07となる。微妙だ。悪くはないが良くもない。使わないでいいわ。

7. FXで外貨両替

最近にわかに人気の出てきた両替方法だ。FXは外貨を購入して価値が変化した時点で売却することにより利益を得る、あのギャンブルじみた経済行為だ。FXの仕組みをつかって日本円でユーロを購入し、それをユーロのまま引き出してしまえばいい。外貨のまま引き出すことのできる証券会社は限られているのだが、日本ではいくつかある。そのなかでも口座維持が無料で、両替行為を認めている会社は限られている。わたしはマネーパートナーズという会社を選んだ。 公式サイトを見ればわかるが、両替のレートが非常に良い。インターバンクレートに20銭/1ユーロしか掛からないうえ、一回の両替金額によらず500円均一で外貨の引き出しができる。引き出すのは成田空港と関西国際空港しかできないが、どうせ海外に行くときはこれらの空港を主に使っているので私には問題ない。 両替には500円かかるので99500円をユーロに両替すると、 €771.45 となり、レートはいままでで最も良い。FXの口座を作らなければならないのは若干めんどくさいが、空港で両替するより数千円単位で安く上がるのだからそれほど悪くない選択肢ではないだろうか。