ロシア大使館にビザの申請に行く

前回の記事で書いたように、ロシアへの入国にはビザが必須だ。空港から出ないですむようなただの乗り継ぎ、トランジットであれば不要だが、今回のような飛行機と夜行バスを組み合わせた貧乏ツアーだと必ず大使館や領事館に申請しなくてはならない。ビザの種類にはいくつかあり、一般的に観光で使われる「観光ビザ」と、入国から3日間までしか使えない「通過ビザ」がある。観光ビザの申請は普通は旅行会社の人が代理でやってくれるものなのであまり知られていないが、かなり手間がかかる。滞在中すべての行動を事前に申請しなくてはならないのだ。北朝鮮じゃないんだからいい加減こんな不便な制度が無くなってほしいなぁって思います。

一方、通過ビザは三日間の滞在制限があるぶん申請は簡易で手数料も安く、必要な書類の数もかなり少ない。旅行会社のバウチャーを捏造する手間を考えたらモスクワ滞在を3日以内に圧縮する方が得策だと考えたのだ。

ビザの申請は発行までの期間で手数料が異なっており、一番高額な「翌日受け取り」だと観光ビザなら24000円、通過ビザでも12000円もする。これではわざわざ最安のルートを導き出した意味がなくなってしまう。逆に一番低価格なのが「二週間後の受け取り」だ。これはどんなビザも無料で発行してくれる。言うまでもなく二週間後に受け取ることにした。

飛行機とバスを予約した控え、大使館のサイトでダウンロードしたトランジットビザの申請用紙、それと自分のパスポートを準備して早速ロシア大使館のある神谷町に向かいます。大使館は平日の朝9:00から昼の12:30までという凄まじいまでの殿様商売。私は東京在住なのでまだマシですけど、これって地方に住んでる人は大変だろうなぁ。

日比谷線に揺られて着いた神谷町。 港区のこの辺は大使館が多く、そのためか沢山のお巡りさんが巡回・警備している物々しい地区です。駅から十分ほどの所に高い壁に囲まれた建物があります。そこがロシア大使館。一番目立つ正門からは少し離れた所にビザ申請用の窓口があります。

平日午前中の一部の時間しかオープンしていないので窓口はずいぶん混み合っています。郵便局とかにあるアレから待合票(って言うのかこれ?)を引き出し、持ち歩いている本を読んで時間をつぶします。このとき持って行ったのは村上春樹の「辺境・近境」でした。

機械から番号が呼び出されてハンサムな白人男性の座る窓口に書類とパスポートを提出します。
「二週間でよろしいですか?」
「はい」
「…それでは隣のカウンターで引換券を受け取ってください」
「はい」

指示されたように隣のカウンターで引換券を受け取り、ロシア大使館を後にしました。

二週間後にビザをもらうまではパスポートを預ける必要があるので、場合によっては多少の不便があるかもしれません。必要があればコピーを取っておいてもいいかもしれませんね。