歯医者に行ってみた。
舌で奥歯に触れてみると、なにか違和感がある。歯がギザギザになっているような感触が舌先で感じられた。 渡航前に日本ですべての歯を治療しておいたし、毎日朝晩歯を磨いているのに、たった四ヶ月で歯の形状が変わるレベルの虫歯とはなんとも不思議だ。
不思議に思ったところで解決するものでもないので一刻も早く歯医者に行くべきなのは当然なのだが、ここは日本ではなくエストニア。日本だったら国民健康保険で3割負担で済むけれど、残念ながら歯科治療というのは普通の保険で賄うことができないのだ。 それゆえ留学エージェントはしつこく「留学前に歯医者に行っておけ」と言う。私にはそういうエージェントはいないが、あまたのウェブサイトで同じことを言っていたので素直に従っていた。
いくら高価だとはいえエストニアの平均所得が900ユーロ前後な以上、月の月収の半額を請求するほどアコギなもんでもないだろうし、大学の案内に書いてあった提携医療機関のリストから歯医者をひとつ選んで実際に行ってみた。
受付には結構なお年の女性がひとり。奥の治療室には日本で見たものと同じような機械がたくさん並んでいて、例の歯を削るような嫌な音が聞こえてくる。
受付の老女に英語が通じるかどうかわからなかったが、少なくとも日本語は通じないだろうからゆっくり英語で話してみた。 すると学生御用達の歯医者なだけあって、学生証と外国人登録証を見せるとすんなり予約が完了した。予約が立て込んでるのだろうか、なんと一週間も先が初診となるらしい。それ以前には空きがないのだ。
歯に開いた穴と一週間も付き合わなければならないというのは心もとないが、歯医者の帰りにスーパーで買ったリステリンで口内環境をできるだけ清潔に保ちながら次の月曜日を待とう。