日本人の話

ロンドンやパリ、ローマやマドリッドといったヨーロッパの大都市では日本人を見かけることは少なくない。少なくとも中国人はいたるところにいる。でもエストニアではアジア人自体が相当なレアキャラだ。トキワの森のピカチュウより出現確率が低い。というか私の在籍しているコンピュータサイエンス学科に、いわゆる東アジア人は私一人しかいない。

北欧諸国で顕著な金髪碧眼ばかりの国なのでエストニアでは私は(悪い意味ではなく)露骨に浮いている。小さい子供がバスの座席で隣に座ったとき、物珍しそうにじっと見つめられたりする。どの先生にも「なんで日本からエストニアの大学に来たの?」と聞かれる。どのお店やレストランでも最初からエストニア語が通じないだろうと判断して英語で接客されるなど、きっと日本に来た非アジア人に対して日本人がしそうな対応を存分に味わうことができる。これは全く嫌なことではない。むしろおもしろいし楽しい。

よくヨーロッパでアジア人は差別されるなんて吹聴するひともいるし、それもある程度本当の事だと思う。「いきなり石を投げつけられた」なんて話は信じられないけど。多分どこの国でも多少の差別的感情はあると思う。エストニア人は歴史的な理由でロシア人を嫌ってるしね。

ただ私はエストニアに来て7ヶ月以上経つけど、今まで一度たりとも差別的な言動を体験したことはありません。エストニア人はそうとう温厚柔和で真面目だ。私はエストニアにアジア人に対する差別は無いと断言できる。一切ありません。

むしろ日本に対して好意的な印象を抱いてくれている人々は多いので、できるだけそのイメージを壊さないようにしたいね。今後の日本-エストニア関係が良く発展してくれたらいいなって思います。