2014-07-14

タリンに日本の友達が来た

今は夏休みなので日本に帰国していますが、タリンに住んでいたときに日本の友人が遊びに来てくれました。彼も修士課程なので一週間や10日学校を休んだところで大した問題にはなりません。私のほうもすでに期末試験が終わっているので夏休み状態です。私は長期休みをもらうとほとんど毎回旅行に出かけるくらいの旅行好きです。この期末試験終了後から日本への帰国までは20日ほど空いてしまいました。期末試験は期末試験期間中に実施されるのが原則なのですが、教授によってはめんどうだからなのか、普通の授業期間の終わり頃にテストを実施し、期末期間中は丸々休みにしてしまうことも。私のカリキュラムでも大半のクラスで期末試験が早々に終わってしまいました。そんなタイミングでやってきた友人の滞在日数は10日間。彼にとっては初めてのヨーロッパ旅行とのことで、要望として「有名なところ回れて、あとは美味しいものが食べられればいいかな」と言います。「まぁもちろんここエストニアは観光しなきゃダメだろ、物価も安いし観光名所もたくさんあるし、そもそも俺の地元だ。フェリーでスウェーデンもいけるからここも追加かな。あとは別に面白い観光名所は無いけどフィンランドも追加しとくかー」、とかなり適当にこれから訪れる国を決めます。でもここで友人の行った要望が頭をよぎりました。

「有名なところ回れて、あとは美味しいものが食べられればいいかな」

北欧への滞在経験がある人はピンと来たでしょうか。そうなんです。北欧にはぶっちゃけ美味しいものも無いし有名な観光地も無いのです。世界遺産はありますが、凱旋門とかバッキンガム宮殿、ブランデンブルク門みたいなわかりやすいアイコンとしての観光名所が全くありません。一年間北欧の街に住んだ私が言うんですから相当なもんです。ご飯もサーモンとかは美味しいかなぁと思いますが、海洋国家日本と比べたらあまり変わりません。

そんなわけで10日間の旅行の工程に半ば無理やりイタリア旅行をねじ込みました。彼にとってはイタリアのどの都市も初めてですが、私はヴェネチアだけ行ったことがあったのでヴェネチア以外というワガママを言わせてもらいます。今回の行き先はイタリア北部の大都市ミラノに決定しました。ヨーロッパはLCCの市場が非常に発達しているため、5000円もあればヨーロッパを横断なり縦断なりする結構な距離を移動できます。実際には田舎の小さな空港に降り立つことも多く必ずしも激安の範疇に収まるわけではありませんが、それでも有名ドコロを探訪するためにはこれくらいの出費は仕方ありません。どちらかと言えば私は行ったこと無い国に行きたかったですが、メジャーな国はスペイン以外大体行ってしまったので今回はイタリアへの再訪です。

さて、タリンからイタリアへはどうやって行きましょうか。タリン発ミラノ行きの飛行機はどうやらRyanAirが就航していないようです。ではタリンからバスで行けるラトビアやリトアニアの空港からイタリアに行きましょう。RyanAirの公式サイトからチケットを見てみるとちょうどよくリガ発の便が見つかりました。値段も片道5000円と安価なのでこれにしましょう。まずはタリンからリガ行きの夜行バスを予約します。LCCは値段を抑えるために早朝や深夜の出発・到着がよくあります。私達が使おうと思ったイタリア行きのチケットも出発は朝の9時前後。チェックインの時間や都心から空港へのバス移動を考えると二時間前にはリガについていたいものです。となるとリガ到着は7時ごろが理想です。しかしタリンとリガの間にはそれほど長い距離がないため、7時にリガ到着するには深夜三時にタリン発のバスに乗る必要があります。しかしさすがにそんな時間に出発するバスなどあるはずもなく、タリンを夜に出発してリトアニアの首都ヴィリニュスに早朝到着するバスが飛行機に間に合う唯一のものでした。国をまたぐバスでは基本的に主要都市に途中で停車してくれるため、その場で下車することが可能です。この仕組を使って夜中の3時とかにリガに降り立ち、空港行きのバスの始発便を24時間営業のカフェやマクドナルドで待つという、若く貧乏なうちにしかできないであろう計画を立てました。

まずはタリンを出るためのバスです。もう何度もバス旅行はしているので気楽にネットでバスのチケットを購入します。学生二人、タリンからリガまで、夜10時発。チケットを購入したら自動で送られてくるPDFを印刷しておき、それを乗車時に運転手に見せればOKです。

さて次はリガからイタリア行きの飛行機のチケットです。…が、なんとバスのチケットをとっている間に空席がすべてなくなっていました。売り切れです。これはヤバイ。予想しなかった展開にすこし怯みましたが、考えてみると私達が取ったバスのチケットはタリン発、リガ経由ヴィリニュス行きの夜行バスです。すなわちリガで下車しなければヴィリニュスまで連れて行ってもらえるということに気が付きました。早速飛行機のチケット予約画面を操作し、出発地をリガからヴィリニュスに変更してみると、案の定まだチケットは残っていました。サクッと予約できたのでイタリアまでの経路は確保です。

もちろんこれだけではおわりません。イタリアの次はスウェーデンの首都ストックホルムです。こちらは私も行ったことのない国。北欧で最も発展した大都市ですが、ついぞ行ったことがありませんでした。友達が来たという大義名分のもと、ここも組み込みます。

ところで、魔女の宅急便という映画があります。宮崎作品の中でも指折りの傑作である魔女宅は、私の23年の人生のうちで最も見た回数の多い映画です。本当に本当に好きで、一時期はエンディングが終わったそばからVHSテープを巻き戻してまた最初から見るというのを繰り返すほどでした。いまはVHSテープを再生するデッキすらありませんが、そのころノイズだらけになるほどみたあのテープのお陰で、すべてのセリフを暗唱できるほどのお気に入りです。その大好きな魔女宅のロケ地となったのがストックホルムであり、そこからバスとフェリーで訪れることのできるゴットランド島のヴィスビーという街なのです。「魔女宅が好きだ」「殿堂入りだ」とのたまうだけのファンで終わっていいのでしょうか。私は今回の旅行にどうしてもヴィスビーだけは旅程に入れたかったのです。友人の意見も聞かずにねじ込んだヴィスビー探訪は後ほど日記にしたためるつもりですが、まずはそこへの経路の確保が最優先。

…ではあるのですが、このヴィスビーというのが曲者(くせもの)で、ストックホルムからバスで2時間・フェリーで3時間。一日1〜2便しか無いという極端に交通の便が悪い場所なのです。さらに悪いことに島内の宿泊施設が軒並み高く、ただでさえ厳しい北欧の物価と貧乏学生の財布事情が重くのしかかります。「宿泊はできないな、日帰りになるな」と思って行きと帰りができるだけ長い時間が開くような曜日を見つけ、更に一番安い学生料金のチケットを見つけました。ストックホルムからバスに乗るのが朝7時。到着がお昼。ヴィスビー出発が午後4時、ストックホルムへの到着が夜9時という便があります。次の日の早朝にフィンランドへ移動しなくてはならないため宿はありません。宿に泊まってしまったら出発時刻に空港に辿りつけないのです。紙に書いたシンプルな予定表を見ると、かなり厳しい時間の使い方です。どうやっても一日は空港に泊まらなくてはならないみたい。それでもこの機会を逃したら次に行けるのはいつになるかわからないという強迫観念に駆られてしまいますし、結局ゴットランド島へのフェリーとストックホルムから出港の港までのバスのチケットを買っていました。後悔はありません。

チケットを買うっていうだけでこんなに長く日記を普通書きますかね。やっぱり文章を書くって楽しいんだなぁ。