2017-07-15

東南アジアにいってきた 3 -シンガポール-

ホテルから歩いてJB Sentral(ジョホールバル中央)駅に着く。

JB Sentral駅のチケットカウンターにいくと、すんなりジョホール水道を超えるためのきっぷを購入できる。ただ電車の本数はやたら少ないので2時間近く待つ必要があるみたいだ。時間はまだ朝の9時すぎで、列車の出発は11時。写真の整理でもして時間をつぶすが、これならホテルのチェックアウト時刻まではホテルの部屋にいればよかった。電源もあったのに。後の祭りだ。

出発の時間が近づくとプラットフォームへのゲートが開く。ほとんど確認してないガバガバのラゲージ・スクリーニングを通り、出国審査を経る。あっというまだった。階段を下っていくと、だんだん空調の効きがが悪くなっていき、一番下までおりるとそこには年期の入った列車が乗客を待っていた。適当な車両にのりこんで窓の外を眺める。ガラスは汚れていて外はあまり良くみえない。

到着したシンガポール側の駅は直接入国審査場につながっている。シンガポールに到着する長距離便は例外なく国際列車になるので当たり前のことだけど、やはりめんどくさいことこの上ない。駅の外に出るだけでも30分以上かかってしまった。ものすごくめんどくさい。ジョホールバルに住んでいてシンガポールに出稼ぎに行っている人は審査が簡略化されるのだろうか。大量の時間を浪費している気持ちになるが、国内の治安を維持するためにはどうあっても必要なのだろう。

到着したウッドランドからあるいて至近の地下鉄駅に向かう。非常に暑い。歩きたくない。バスに乗れれば良いのだけど、小銭を用意できてないのでたぶん乗れないのだろうなと思い駅まで歩くことにした。まぁスマホの地図があればなんとかなるもので、汗だくにはなったけどちゃんと地下鉄の駅にたどり着くことはできた。とくに行き先も思い当たらないけど、せっかくだから一番有名なマーライオンにみにいってみることにする。マリーナベイサンズとか博物館とか、いろんな観光名所も近くにあるみたいだ。乗り込んだ地下鉄の終点までいけば良いみたい。

結構な距離がある。郊外では高架を走っていた車両は、いつのまにか地下を走るようになった。乗客は英語を話している人がおおい。英語が公用語になっているアジアの国は珍しいので不思議な感じがする。船が乗っかった三つのビルもよく見える。

到着したのはシンガポールの最もアイコニックな風景が広がる海岸地区だった。白人の観光客が多い。しばらく海沿いを歩いていると、ひときわ観光客の集まる場所が見えてきた。マーライオンだ。

full

白いドラゴンが濁った海面に水を吐いている。顔はユーモラスで愛嬌がある。どことなく沖縄のシーサーを思い出させる風体をしていた。ここでマーライオンを見たことを母に伝えると、彼女もまた30年前に同じ場所で同じものを見たという。1980年代のマーライオンもここから水を吐いていたのだ。この都市の成長を見守ってきた女神は、これからも観光客からの視線を集め続けるのだろう。

マーライオン像からあるいて街の中心地へ向かう。途中で見つけた博物館や喫茶店に適当にはいる。とにかく暑いので冷たいビールがおいしい。お店のwifiにつないで次の行き先を考える。トリップアドバイザーによれば、ガーデン・バイ・ザ・ベイという植物園が一番評価が高い。植物園というものはなかなか良いもので、日本の植物園にもいくつかいったことがある。面白そうなところだ。大人一人2400円はちょっと高いが、とくに予定もないので行ってみることにした。

left right

ガーデン・バイ・ザ・ベイはマリーナベイサンズと隣接している。スーパーツリー・グローヴと名付けられた場所では人工の木々がスカイウォークで結ばれ、園内を一望できるようだ。一年中完璧に制御された空調により世界中の特殊な環境を再現し、多種多様な花々が咲いている空間を演出している。さらに圧巻なのはクラウドフォレストで、高さ35メートルの人工の山から滝が流れ落ちている。背の高いドームの中では寒冷な高山地帯が再現されているのだ。空気はひんやりとしており、時折噴出するミストで雲が生みだされている。こんなに豪華な植物園は見たことがない。

夕暮れが近づき、今日の宿にもどろうかという時間になってきた。適当に入ったフードコートで夕食を済ませ、出国するためのバスに乗る。JB Sentral駅行きのバスがシンガポールの中心地から出ている。ひっきりなしにバスが到着し、たくさん並んでいる出稼ぎ労働者たちを満載し、そして国境を目指して出発する。人の流れが途切れることはない。

left right

シンガポールからの出国審査もまた大変混雑していた。すべての列が人でうまり、私が最後尾にならんでからも、さらにあとからバスできた人々が並び続ける。結局40分ほど待ち続けることになった。ちょうど出稼ぎ労働者たちの帰宅ラッシュに鉢合わせてしまったようだ。審査が終わったあと、次はジョホールバルへ向かうバスにのるための行列に並ばなければならない。ひどくおんぼろのバスが頻繁にやってくるので、それに適当に乗り込む。こんどは座れなかった。

right 結構な時間をかけてジョホールバルに戻ってきた。Grabでタクシーを呼んで今日のホテルまで移動する。入り口のガラス戸には漢字で店名が書かれている。ホテルは中華系の業者なのだろう。朝食付きでトロピカル・ホテルと同じくらいの値段だった。結論から言えばこのホテルを選んだのは正しくなかった。昨日と同じホテルに泊まっておけばよかったのに、と深く後悔した。自分の部屋は窓がなく、照明を消すと純粋な漆黒が部屋に満ちる。すごい怖いところだ。これでは朝起きたときに自分のスマホを探すこともできない。暗い方が落ち着いて眠れると思うけど、不便そうなのでバスルームの照明を付けっぱなしにして眠ることにした。ドアを開けておけばそれなりに部屋が明るかった。一体どういう神経をしていたら窓のないホテルを作ろうと思うのだろうか。
ベッドに寝転ぶと、天井に矢印が書かれたステッカーが貼ってある。礼拝に便利なようにメッカの方向を示しているようだ。マレーシアに戻ってきたのだなと感じた瞬間だ。

つづく