ハワイへ行ってきた 1

いろんなところへ旅行していても、なんとなくハワイを敬遠していたような気がする。どことなく初心者まるだしな目的地で、世界的に有名なリゾートであるまえに日本人にとってのわかりやすい南の島という印象が強い。いたるところで日本語が通じるとか、道にノボリがたってて興ざめだとか、ハワイに対して聞くいろんな言葉もあってあんまり良い印象もなかった。

ところがだ。2018年を迎えて二日目の夜、同じ職場の旅行好きな友人からSlackにダイレクトメッセージがとどいた。関西国際空港発、ホノルル行き、往復2万円のチケットが売られてるぞ、という内容だった。あまりにも安い。東南アジアにいったときよりもさらに安い値段で遠くまで行けるのだ。アメリカには何度か行ったことがあるし前述の通りハワイにはぼんやりとした抵抗感があったわけだけど、いくらなんでもこんな値段で旅行に行けるとなると抵抗感とか言っている場合ではない。スケジュールリストを眺めてミーティングとかがなさそうなところをおおざっぱに見当つけて即座に予約した。

うーん、とれてしまった。これまでもやたら安い航空券で旅行することはたくさんあったけど、距離と値段の組み合わせでは今までで一番コストパフォーマンスが良さそうだ。日本とハワイを往復して19900円、東京から名古屋を新幹線で往復したとしてももっと高くつく。LCCのセールというのは恐ろしい。

旅行当日は京都駅近くで懇親会があり、そこから特急はるかにのって関西国際空港まで向かった。私はどこに旅行にいくにもリュックサックひとつで十分なため、普段は阪急線で河原町駅から関空アクセスきっぷという安価な手段を使うところだが、今回は急いでいたし乗り換えなしでいける便利なはるかを使う。値段も二倍以上するし実のところ大して速い路線ではないのだけど、特急はるかは関空への到着は22時。これでも数ある交通手段の中では一番マシだ。チェックインカウンターがクローズする40分前に到着できた。

カウンターはかなり混んでいる。いつもなら預け荷物のない自分にとって便利な自動チェックインの機械(あれなんていうんだろう)を使うが、エアアジアのホノルル路線でこれは使用できないらしい。そのうえWebチェックインもできないのでおとなしく行列に並んだ。たぶんESTAの確認をしているのだろう。宿泊先のホテル名も聞かれたので間違いない。

夜も遅いので手荷物検査場もすいている。こちらは並ぶこともなく通り抜けられた。パスポートコントロールをうけて搭乗ゲートへ進む。LCCをつかっている場合機内で飲み物が配られたりすることはないため、近くの薬局でお茶のボトルを買った。アルコールドリンクの持ち込みは禁止とのことだが、まぁお茶くらいならいいだろう。

機内は混雑していた。乗客は多く、あいているシートは見当たらない。窓際A席だったので 出発予定時刻の23時40分をすこし過ぎて離陸した。窓からはそれほど多くない街明かりが見える。もうとっくに深夜だ。どうせ飲み物も機内食ももらえないんだから耳栓をはめてすぐ眠りにつくのが一番だろう。持ち込んだお茶を一口のみ、安っぽくて狭いシートを少し倒して眠りについた。耳栓の性能が良かったのか、思いのほかちゃんと眠れたようだった。

目が覚めるころ、窓の外は青い海がひろがっていた。白い波がその上に線をひいている。もうまもなくハワイに着くのだろう。税関申告書に名前や使用した便を記入して提出に備える。ガラスとコンクリートで埋め尽くされる都市とは違う、鮮やかな海と木々の緑が目に飛び込む南の島へ飛行機は揺れながらおりたった。

オアフ島を代表する国際空港には日系人の名前がついている。ダニエル・K・イノウエ空港と名付けられたこの空港はずいぶんと開放的だ。車道からカウンターまでドアもなくアクセス自由になっている。

荷物はリュックサックだけなので市バスで街の中心地まで向かう。バスの頻度は十分にあるが、お釣りがでないので事前に細かい小銭と1ドル札を用意しておきたい。私は空港のATMでお金を引き出し、近くのスターバックスでアイスティーを買って小銭をつくった。

バスは快速運転などではない。ルート上の各バス停にほとんど逐一止まる。普通にいくと市街地まで数キロの距離だが30分ほど掛かってしまうが、おなかもすいてきたので途中にあるアラモアナショッピングセンターで朝食を兼ねてランチにすることにした。大きなフードコードがあるのだ。バナナマンの二人が撮影で訪れていたお店はここにあったなと思い出し、せっかくならと同じ店で注文する。

マヒマヒという魚のグリルが売っていた。日本の異常に安い飲食店になれていると結構高いなとも思う。味は悪くなかった。

ショッピングセンターのお店を回ってみるが、特に欲しいものはない。サンダルを持ってくるのを忘れてしまったのでここで買おうかとも思ったが、どこもびっくりするくらい高かったのでやめた。

一緒に行った友人の知り合いがハワイに住んでいるらしく、ご自宅に呼んでいただいた。途中で景色のいい高台に下ろしてくれた。サーファーもたくさんいる。暖かい気候と綺麗な海。ハワイが永遠の観光地でありつづける理由はこれなのだ。

ハワイの地ビールをごちそうになる。なんと優雅なんだろう。素敵な一日目だった。

つづく