陸路でアルゼンチンからパラグアイへ行く途中covid-19の陰性証明書が提示できず入国拒否されブラジルで立ち往生したあなたへ

tl;dr

covid-19の陰性証明は一部の設備が整った薬局で作成してもらえます。まずは落ち着いていま通った友好の橋(Puente de la Amistad)を戻り、ブラジル側のロータリーでUBERを使いAv. Brasil, 98 - CentroのCoperfarmaという店に向かってください。10分でつきます。着いたら薬局がありますのでパラグアイ入国に必要なCovid Certificateを作ってくれと店員に伝えましょう。パスポートを渡せば全ての作業はやってもらえます。クレジットカードも使えます。検査を受けて3分から5分ほどで陰性証明書がもらえるので、またUBERで国境の橋まで行き速やかにブラジルを離れましょう。

プエルトイグアス(アルゼンチン)からシウダデルエステ(パラグアイ)まで

アルゼンチンの都市プエルトイグアスからパラグアイにバスで向かう途中、バスはブラジルを通る。三つの国の都市が川を挟んで向かい合っているのに橋が架かっているのがパラグアイとブラジルの間のみであることがその理由なのだが、三国間の合意によってブラジルの地に降りなければ入国として取り扱わず、アルゼンチンからパラグアイに直接入国したという扱いになる。

そのためブラジル以外の国から入国拒否されるとどこの国にも入国していない不安定な状態になってしまうため、これら三カ国のどこかにこっそり行ったとしても出国の際に罰金が取られてしまう。地元の人間は入国審査が省略されてしまうこともあるし、この手の制限は流動的で地元の人間が言う情報もかなり錯綜している。ワクチン接種が終わっていれば不要だと言う人もいるのでたぶん似たようなトラブルはこれからも世界中で起こり続けるのだろう。

私は入国拒否されて、ブラジルで立ち往生してしまった。入国管理の人でも南米では全く英語が伝わらない。こういうのは一度NGになれば交渉ではなんとかならないのでいったん撤退して書類を用意しよう。ぶっちゃけ書類の真贋性はもはやどの国でもまったく確認しないしもはやただの儀式でしかないため、過去に発行された陰性証明書のPDFがあるならそれの日付を変えれば入境できるだろうとは思う。

ただ今回の場合、アルゼンチンとパラグアイで話されているスペイン語、ブラジルで話されているポルトガル語が別の言語であることが問題で、私はスペイン語の陰性証明はたくさんあるのだがポルトガル語の陰性証明書は持っていなかった。日付を偽造するにしてももとのPDFがないと、「なんでいったんブラジルで陰性証明書を手に入れてきたというのに書面がポルトガル語じゃないんだ?」と聞かれたら答えられない。なら出発地のアルゼンチンに戻るかというとそれもまた難しく、アルゼンチンからは既に出国審査を受けてしまっているのであらためて入国し直さなければならない。そしてアルゼンチンへの入国には陰性証明書が必要なのだ。クラコウジア人かよ。ネットで落ちている書類をイジるか、と一瞬思ったが、それはそれで読めもしないポルトガル語の陰性証明書が性感染症のものだったとして私には判断がつかない。いろんなパターンを頭の中で考えてはみたものの、スーツケースを転がしているし暑いしめんどくさいし取ったホテルの位置が高速バスで移動するような遠方の町にありそこへの終バスの時間も迫っているという状況だったので、諦めて現地で陰性証明書を取得することにした。

病院かなにかであれば確実だし、covidの検査をやってるよというテントがあればそれでもいいが、私はこの滞在中にそれらしき看板をみたことがない。となるとそもそもそういうブースはこのエリアにないか、あるいは非常に数が少ないのだと思う。病院より数が多く、かつcovidに詳しいであろう人がいる場所といえば薬局なので、とりあえず薬局を探してみることにする。少なくとも店舗のスタッフならなにか知っているかもしれない。薬局を表す緑の十字が描かれた看板をさがし、見つけた店舗に飛び込んだ。covidテストのサーティフィケートがほしいと伝える。伝わらない。やはり南米で英語で会話するのはかなりむずかしい。スペイン語もポルトガル語も使えない自分の不出来を呪いながら単語とジェスチャーでなんとか意味をつたえ、店員さんが教えてくれる内容を解読する。おそらく「ここではできない、セントロ(町の中心部)へ行け」ということだろう。住所をもらえたのでUBERで向かった。この周辺ではブラジル側でのみUBERが使用可能で、アルゼンチン側とパラグアイ側では2022年4月1日時点で未対応エリアだ。ブラジル側の都市で対応していたのは運が良かった。ブラジルの通貨を用意しなくてもなんとかできたのは本当に助かった。現金が必要となるとさらにここで銀行や両替所を探すというタスクが追加されてしまう。

紹介されたお店に行ってみるとさっき入った店と同じロゴの店舗だった。チェーン店のようだ。似たような状況の人が他にもくるのか、このお店では全体的に英語が使えた。パスポートを渡して「パラグアイに行くためのコビッドのクイックチェックをお願いします」と伝える。面白かったのは最初から「検査結果: 陰性」と書かれたテンプレを印刷し、その上で抗原検査のキットでチェックしてくれた。陰性の時だけ紙が必要になるのだから合理的だ。待機時間も検査キットの結果が出たのかも怪しいようなたかだか3,4分で、本当にあっという間に陰性証明書が手に入る。助かった。これで予約したホテルにノーショウにならないですむ。夕食の用意をお願いしていたことがずっと気に掛かっていた理由で、結果としては食事を無駄にするようなことがなくてよかった。

改めてUBERで国境の橋に向かい、再度もときた道を歩いて渡る。めんどくさいことを言ってきた同じ入国管理官に同じように書類をみせ、最終的に2時間かけて国境を越えたことになる。本来3分と掛からないであろう友好の橋を越えた国境越えに掛かった時間としては日本人新記録かもしれない。令和の金栗四三だ。それにしても2019年が恋しい。そう国境を超えるたびに思っている。

パラグアイ、入国

パラグアイで手持ちの紙幣をグアラニーという同地の通貨に両替し、3kmほど離れた高速バスのターミナルにむかう。このとき初めて気づいたが、パラグアイはアルゼンチンよりも1時間遅い標準時を持っている。実際には終バスまでまだ2時間近くある状態だった。

この記事が役に立つ人というのは多分存在しないだろうが、インターネットは大半の人にとって役に立たない情報であふれていてほしいのでここにメモしておく。