2014-02-13

英語の話

エストニアでは日本人と会話をする機会がまずありません。首都タリンでこうなのですから、きっと他の都市でも同じような感じだと思います。驚くべきことにエストニア人の英語能力は非英語圏では世界第4位(参考)とされており、高齢者や小学生でない限り片言以上のレベルで大抵のエストニア人が流暢に英語を操れます。大きなデパートなどに行くと、店員さんの胸に付けられたネームタグにいくつかの国旗が小さく印刷されており、これがそのスタッフが接客に使える言語だという表記になっています。

歴史的な経緯もありロシア語もよく通用し、また地理的・言語的な近さもあることからフィンランド語を使えるエストニア人もめずらしくありません。多言語話者というのが極めて希少な存在であるフランスや日本、イギリスやスペインではおよそ考えられない割合でバイリンガルやトライリンガルがいます。しかもそれらの能力をほとんど特別なものとみなしていないように見受けられます。言語教育は小国エストニアが世界と対等に渡り合っていくのに必要不可欠なのでしょう。

恥ずかしながら私はエストニア語がまったくわかりません。「テレ(こんにちは)」「アイタ(ありがとう)」「パルン(どういたしまして)」「ウクス(一つ)」「テルヴィセクス(乾杯)」だけが私のエストニア語の全知識。半年以上過ごしていますが、英語のみを使って授業を受け、買い物をし、日常の会話を行っているため、語学習得に情熱が欠片もない私は未だにエストニア語にいくつのアルファベットが存在するのかすら知らない始末です。

ところがそういう環境に置かれたため、自分の英語能力はほっといても上がっていきます。世界各国に貧乏旅行を繰り返しましたが、日本人のような旅行好きの民族はたいていの観光地におり、また現地で暮らしている日本人も何人かいるのが通例でした。バルト3国のあたりは先進国としては例外に近いかもしれません。少なくともエストニアで日本語を使う機会は一切ないのです。

私はもともと英語が好きではなく、留学前でもそれなりに読み書きや会話はできますがそれも「しかたなく」「嫌々ながら」何年もかけて学習した結果によるものです。残念ながら世界の共通語は英語であり、英語の母国語話者にとって住心地のよい世界に私達は生きています。母語が話されている国から自分の意志で飛び出した結果ですしそれを後悔してはいませんが、留学は勉強や文化の違いなんかよりも、私にとって(おそらくは大抵の日本人留学生にとっても)言語の壁こそがもっとも厚く高い壁であることに間違いありません。

それでもなんとか気合と根性で半年も英語と共に暮らしてしまうと慣れてくるものです。最初の頃は会話も続かないわ授業で指されても言葉が出ないわレポートを文法チェッカーにかけたら間違いだらけだわと苦しみもありました。でも放っておいても時間は過ぎますし授業は進みます。嫌でも受けなきゃいけない必修の授業だってあります。わからないことがあれば誰かに訊かないと単位を落とすかもしれませんしね。でも人間というのは追い込まれるとそれなりの力を発揮するみたいです。いいかげんに生きてたって楽しく問題なく暮らせてます。

もし新しくヨーロッパ系の言語を学びたいのならその国に留学すればいいですし、もし英語をある程度使えるレベルまで持ちあげたいならやっぱりヨーロッパに留学するというのがおすすめです。日本を出てそこら辺の英語学校に入学するのは私は時間がもったいないと思います。大学や大学院に入学すれば、世界はもちろん日本に帰国後も永久に使える学士や修士の資格が手に入るのです。しかもヨーロッパなら格安で。

そろそろ留学したくなってきませんか? ヨーロッパに。待ってます!