アメリカ中西部へいってきた 2 (コロラド・アリゾナ)
起床
ホテルの一室で目をさます。まだ朝早い時間だ。
シャワーをあび服を着替える。朝食の時間がきてすぐに食堂へ降りていった。ブッフェ形式の朝食が付いているぞ、というのがネットのホテル予約サイトで宿探しするときに心惹かれたのだ。
いやちょっと待ってくれ。これでメニューの全てになる。考えうる中でも最悪に近い朝食だ。クエーカーのオートミールとソーセージにポテトとゆで卵。調味料は何もない。いくらなんでもこれは貧相だ。色が全て同じ、みるからに1日の活力を得るための食事としてはかなり力不足に見える。これまでたくさんのホテルを利用してきたが、間違いなく人生で一番ひどい。安価なゲストハウス朝食を期待するものではないとわかってはいるが、とはいえアメリカのホテル代はそもそもが結構高いのでもう少しまともな朝食が出てくるものだと思っていた。東横インの朝食が理想的なものだったのだと再確認させてくれる。
ニンテンドースイッチ
2018年9月時点で、日本国内でのニンテンドースイッチの流通はかなり絞られており、その上大量の転売屋が発生していて簡単には手に入らないコンソールになっていた。しかしアメリカでは普通に売ってると聞いていたので、いい機会だしこの地で買っておこうと思っていた。リージョンロックがないのでアメリカで買おうがスウェーデンで買おうが日本のゲームは普通にプレイできる。つまりどこで買ってもいいのだ。買えるところで買おう。
アメリカのいたるところにある大型スーパーウォルマート。アメリカらしさが爆発したチェーン店として知られている。行ったことのない人は「walmart customers」などで画像検索をしよう。アメリカを旅している気分になれる。
アルバカーキらしい食材も見かけた。サボテンを食べたことはないが、これは大変興味をそそられる。一体どんな味がするのだろう。伊豆シャボテン公園でサボテンのステーキが食べられると聞いたことがある。一緒に行ってくれる人がいたら行ってみたい。
案の定ニンテンドースイッチも山ほど売られていた。日本であれほど品薄で、いまだにくじ引きで販売されている異常な出荷量なのに、大都市とは言い難いこの街にもこんなに在庫があるのだ。不公平なものである。底意地の悪い転売屋から高値で買うくらいなら、例えばハワイにでも遊びにいく友人に買って来てもらうとかした方が良さそうだ。私は2台買った。一台は自分用に、もう一台は研究室の学生さんの購入を代行した。
ハイウェイ
ウォルマートで道中飲めるようにと水のボトルとスナック菓子を買い込む。アメリカのロードサイドには適当な間隔でガソリンスタンドやグロッサリーストアがあるので困ることはないが、あって困ることもない。荷物をバックシートの裏に詰め込んだら詰め込んだらひたすら長い高速道路を同じスピードで走り続ける。
延々とまっすぐに伸びる田舎道を、アメリカのポップ・ミュージックを流しながら車はひた走る。車とは偉大な乗り物だ。
途中でニューメキシコ州からコロラド州に突入する。そういう道にはまず間違いなく目立つ看板が設置されている。その州の標語だったりイラストだったり、州によって異なるいろんなデザインがあり趣深い。
晩御飯にはコロラドスタイルのピザを注文する。
コロラドスタイルがなんなのかはよくわからない。ごく普通の美味しいピザだった。
この晩は宿が見つからなかった。どこのホテルやゲストハウスに訪ねてみても満室で、仕方がないので車中泊にした。私は一人で深夜の街を歩いてみたりしたが、別段面白いものがあった訳でもない。
朝日に照らされ街が目を覚ます。
The Wave
ザ・ウェイブと呼ばれる奇妙な地形がアリゾナにある。大変な僻地で、車でないと近くまで行けず、しかし車だけで到着することもできない。到達難易度はなかなか高い観光名所だ。そのうえザ・ウェイブを見学できる人はクジに当選するしかないという仕組みになっているので、行ったら誰でもみられるという訳ではない。私たちはそのくじ引きに参加することすらできなかった。なので近くのウェイブっぽい見た目の場所をうろつくくらいしかできていない。残念だけど仕方がない。完璧な旅行などないわけで、また見たくなった時にくればいい。
最寄りの町から車を飛ばし、スマホの地図を頼りに現地へ向かう。途中からはアスファルトも無くなってしまった。
舗装もされてない乾いた赤土の地面を車でゆっくり走る。窓は全て閉じておくしかない。ちょっとした風でも周りが霞むほどの砂埃が舞うのだ。
たかだか数キロの道だと思うが、借りた車には大量の砂埃が付着していた。
私たちがうろついているあたりにもちらほらと外国人観光客がいた。多くはヨーロッパからの旅行者で、アジア人は一人もいなかった。立地が悪すぎてそれほど魅力的ではないのかもしれない。
町に戻って昼ごはんを食べ、次の目的地であるラスベガスへ向かうことにした。日はまだ高い。まだまだやることはたくさんある。と言ってもロードトリップなので一日の大半は移動なのだけど。
つづく