2021-03-14

南極ツアーに申し込んだ

世界には六つの大陸があり、私はそのうち五つをこれまで回っていることになる。多くの人にとって最もアクセスがわるく、手間も費用もかかるのが南極大陸で、私も南極にはこれまで行ったことがなかった。北極圏の国のひとつアイスランドには行ったことがあるが、南極には定住者もおらず、町もなく、当然定期航空便もない。あるのは南米最南端の町ウシュアイアからのクルーズ船で往復10日ほどかけて向かうツアーのみで、これが一般人が使えるほとんど唯一の手段だ。

Photo by henrique setim

このご時世もあり、長いこと海外旅行には出かけられていない。ということはそのぶん予算は(別に決めているわけではないが)だいぶ浮いているはずだし、ちょっとくらい奮発した旅にでてもいいかもしれない。そう思って2022年1月に出発する南極ツアーに申し込んだ。ほとんど地球の裏側に位置する日本からの出発なら30時間ちかくかけてブエノスアイレスへ、そこからクルーズ船の出発地点のウシュアイアまでの国内線で飛ぶことになる。一連のフライトだけでも往復で20万円以上かかるし、南極クルーズの代金は一人あたり100万円くらいする。これまでの旅行とは比較にならない金額だ。

国内でも南極ツアーを提供している旅行会社は何社もあるが、そのどれもが日付の選択肢がなく、またただでさえ高い南極ツアーに数十万円の利益を乗せるのでことさらに高い。東京からウシュアイアまでのフライトは自分で買えるのでクルーズだけのプランはないかと思って探してみても、これが案外見つからないのだ。南極にツアーで行く時点で十万二十万のお金を節約しようとしている人は多くないのだろう。JTBや阪急交通社や読売旅行では200万円くらいからツアーを提供している。自分で予約するのに比べるとかなり高い。日本発着のフライトに加え添乗員もついている有名旅行社のツアーのほうがもちろん安心できるが、しかしこれだけ価格差があると自分で予約してしまいたくなる。

今回の南極ツアーはQuarkExpedition社を使うことにした。最もメジャーな南極ツアー運行会社の一つで、毎年冬(つまり南極における夏)に多彩なクルーズを提供している。南極ツアーの参加者は高齢者がかなり多く、いろいろなところを旅してきて最後に向かうところだったり、定年退職してお金があまってるような人々が多いらしい。一人で参加した場合は(一人部屋料金なんて払いたくないし)、知らないおじさん、あるいはおじいさんと10日間一緒の相部屋で過ごすことになる。それもちょっとな、と思っていたが、たまたま同じように南極にいきたいという人が身近にいた。異常な友人がいてくれて本当によかった。とても心強い。

二人分のツアー代金はあわせて25000USD、そこから早期予約割引が3700USD、予約時に全額支払うことで適用される割引が2100USDもあり、結局表示金額から50万円以上割り引かれた。50万円といえば東京とアルゼンチンを2往復できる金額だ。めちゃくちゃな値付けである。クルーズなんて使ったことないが、富裕層向けのアクティビティなのだと実感させられる。最終的な会計は日本円にして200万円ほどの支払いとなる。私の持っているクレジットカードのショッピング枠は確定申告とその後の納税で埋まっていたので、事前にJCBへ一時増枠の申請を行い余裕をもって新たに250万円分の決済ができるようにした上でQuarkExpeditionの公式サイトから申し込んだ。サイトにJCBのロゴは無かったが、提携しているDiscoverのロゴがあったので問題なく使える。無事決済は完了しツアーのInvoiceとパンフレットがメールで送られてくる。クレジットカードで一度に支払ったものとしてはもしかしたらいままでで一番高価な買い物かもしれない。とはいえ家や車や豪華な結婚式に比べれば当然安価なので、わたしの人生はそれなりにリーズナブルだ。

クルーズツアーの受付は普通の飛行機旅とはかなり時間感覚が異なる。出発はなんと約10ヶ月後。こんな未来に旅行の予定が入ったことも初めてだ。出港のその日まで健康でいられるように、そして海外旅行がまた自由に楽しめるようになっていることを祈るばかりである。