ブログにコメント欄は必要なのか
このブログは各記事にDisqusのコメント欄を配置している。これが正直めっぽう邪魔で、ごちゃごちゃした変更不可能な見た目はデザイン的にもどうにも気に食わない。パフォーマンスだって劣化するし(ロードされるアセットは570KBある)関係無いSNSのボタンやなにに使うのかどこへつながるのかなにもわからない謎リンクばかりで大半の機能を私は全く必要としていない。ただテキストメッセージを受け取れればそれでいいのに。しかしコメント欄自体を完全に削除するのも気が引ける。たまにコメントが投稿されるからだ。ポジティブな内容のコメントはもらえればうれしいし、質疑ならその蓄積に意味もある。しかしそのごく稀な機会のために用意しておくにはいささかオーバーキルだと感じており、いままで何度も何度も何度もこのコメント欄を削除するかどうか考えていた。
Disqusは匿名でコメントを投稿することもできるが、いったいこのUIから一目でその方法を見つけられる人は存在するのだろうか。SNSアカウントと連携させないとなにもできないように見えるのが普通だと思う。なんらアカウントを持たず初めてアクセスしたとしてもコメント欄右上には未読のNotificationがありそうな赤い吹き出しが表示されているのも実に邪悪だ。
かといってDisqusの代わりになるようなもっとシンプルな埋め込み型のコメントサービス自体ほとんど存在せず、さらに活発に開発されている代替のサービスとなるとなにひとつ見つからない。Commentboxはいいなと思ったがこれだって公式ブログも公式Twitterアカウントも3年放置されている。Wordpressを開発しているAutomattic社はintensedebateという同様のサービスを提供しているが、サイトを見たらわかるとおり10年前から放置されてそうな「Web2.0」という雰囲気のプロダクトで、実際に9年放置されている。
どちらもいまから使うにはあまりにも心許ない。この手のサービスは儲からないからか多くが長期間放置されているようで、これでは突然予告もなくサービスが消えてもおかしくない。Wordpressだってはてなブログだって標準機能としてコメント欄は存在するのだからあえて外部サービスに依存させる意味もないのだろう。ブログだってはっきりいってもはや今時の文化という感じはないし、新たなコメントサービスの興隆を待つのも非現実的だ。
では自分でコメント機能を実装しようかというとそれは度を超して面倒だ。一撃でスパム汚染されることが目に見えているし、べつにクールなエーアイがよしなにやってくれなくてもいいけど、せめて簡単なモデレーション機能というかフィルタリングは考える必要がある。データの永続化が必要な仕組みを自分で作るのはよくてもその運用は食指が動かない。
結局そういってDisqusに文句をいいながら使い続けていたのだが、最近はブログ自体にコメント欄を設けずTwitterなどのSNSで済ませるほうがよほど一般的になった。自分のサイトにコメント欄やゲストブックや掲示板やチャット(いつの時代だ…)を設置すること自体がレトロスペクティヴなのだろう。ここももうそうしていい気がしてきた。してきたので、コメント欄を削除した。Disqusのアカウントはまだあるので復活はできるが、復活させたくなることは当面なさそうだ。いままでコメントを投稿してくれた全ての方に感謝したい。
わたしは当時流行っていたSNS疲れそのものが理由で8年前にTwitterアカウントを削除しており、以降とくに使わずに過ごしてきた。コメント欄を削除するにあたって新しくつくったTwitterアカウントをトップページに置いておくことにしたのでしばらくこちらで済ませてみよう。ひさびさに投稿したTwitterはひどく使い勝手が変わっており、自分のタイムラインにはフォローしていない人の投稿が流れてくるしフォローしている人のLikeも流れてくる。自分がLikeした他人のpostが他人のTLにも流れていくのだろう。めちゃくちゃつかいづらい。はやくTwitter以外の使いやすいSNSがあらわれてほしい。DisqusであれTwitterであれどんどん使いづらくなっていき既存の顧客が我慢して使うといういつもの光景が繰り返されている。LINEのように最初から徹底して使いづらいプロダクトを提供しつづけるのならこんなふうにがっかりする余地もないのだけど。