オペラを見に行こう!

私が大きな劇場でなにがしかの演劇を見るのは、小中学校時代の特別授業で見た歌舞伎と能、それと大学の時に理科大の割引で100%オフ(=無料)で見たブルーマンブラザーズの東京公演くらいのもので、あとは大好きな小説「海辺のカフカ」の舞台を埼玉でみただけです。歌舞伎や能に至っては演者がなにをしゃべっているのかも理解しないまま、単なる学校の行事として見に行ってた記憶がかすかに脳に残っています。

ここエストニアには、旧市街と隣り合うように国立のオペラハウスとコンサートホールが建っており、毎日その前を通ってはいるものの、中に入ったことはありませんでした。エストニア国立劇場という名前で地球の歩き方などのガイドブックには載っているので、存在を知っている人は少なく無さそうです。

せっかくエストニアに留学しているのだし、ヨーロッパではわりとメジャーな娯楽らしいオペラなるものを一回くらいは見ておこうと思いたち、ネットでチケットを探してみました。なんと学生割引で50%オフ。半額です。もともと気軽に見に行ける値段ではあるのですが、更に半額にまで安く買えるならもう行くしかありません。

オペラ初心者未満の私にちょうどいい作品を調べてみると、日本でも有名なカルメンという作品が、有名な曲もたくさん含まれているしストーリーもわかりやすいとのことで初心者向きとされているようです。どうせ自分の好みすらわかっていない状態なのであっさりカルメンに決定!チケットの値段は7.50ユーロ。1000円くらいですね。

公演当日、劇場に15分まえくらいについて受付を済ませます。ちょうど混む時間帯だったこともあるかもしれませんが、ろくにチケットチェックもされずにすっと入れました。人気の公演みたいです。人混みを眺めてみると、高校生くらいの少年少女たちがたくさん。みんなきれいなシャツやカジュアルなドレスをきて大人っぽい雰囲気です。のちに隣の席に座った女子高生から聞いた話によると、学生っぽいやつらは全員実際に学生で、高校の授業の一環としてオペラの鑑賞が組まれているのだとか。どの国にも同じような仕組みがあるんですね。

自分の席を探して着席します。安い席だからか、前の座席との隙間はあまりないので誰かが席を離れるときは通路の人が皆一度立たなくてはなりません。オペラって映画とは違って演者に観覧者をできるだけ近づけないといけないからしかたないのでしょうか。

無事に例の学生たちの真ん中に座ると、まもなくオペラがはじまりました。カルメンはフランス人劇作家ジョルジュ・ビゼーによってつくられた作品です。なので演者によらず全編フランス語で演じられます。エストニア人にも外国人観光客にもフランス語を理解できる人は少数派なものですから、舞台の上部にエストニア語と英語の字幕を表示する電光掲示板があり、そこをチラチラと見ることによってストーリーを問題なく追うことができます。

カルメン自体のストーリーはいろんなサイトで紹介されているので省きますが、単純に言って、オペラ、結構面白かったです!全く飽きもせず3時間以上ある演劇を一切苦にならず見終えることができました。ガッツリハマったってわけではないのですが、これなら気が向いた時にでも、次は違う演目を見に行ってみたいなー、と思ってます。

オペラ、楽しいよ!