拳銃と日本

エストニアで購入したエアピストルはいわゆるエアガンとは違い、威力が強いため日本国内では所持ができません。したがってオリンピックや国体などの射撃競技で活躍している日本人選手たちは、警察署から特別に銃の所持許可を得ているわけです。私はこの所持許可を受けていないため日本国内で自分の銃を所持できません。すなわち、留学を終えて帰国しても成田空港で自分の銃を受け取れないのです。

困りました。受け取れない銃は税関で止められて廃棄ですからそもそも空港まで持って行くこともかなわないわけです。日本以外の大抵の国では警察に届け出れば特に問題なく所持ができるものなのですが、日本ではその審査も非常に厳格で、精神科の医師による署名や警察署での講習、6割位が落ちる試験などを通らなければ行けないうえ、さらに日本国内での所持可能人数が500人と決められています。この500人に空き枠がでるまでいつまでも待たなくてはならないという、新たな選手の生まれることのなさそうな厳密な環境が日本の射撃競技には厳然と存在するのです。

私の使うエアピストルは警察署での許可だけでなく日本体育協会による推薦も必要です。その推薦を得るためには名のある大会で好成績を収めなければならないという本当に茨の道。もちろんエアピストルの所持許可が無いのでエアピストルの競技大会には参加できません。なので全く関係ないエアライフルの所持許可を(複雑な手続きの後に)得て、練習を積んで大会で好成績を収め続け、体育協会からの推薦を得て、警察署からの許可を得て、そして初めて日本国内でエアピストルの所持が可能となるのです。

やってられないよ…